【ラグビー】ノーサイドとは?由来は?ノーサイド精神って?日本だけってほんと?

激しいタックルや点の取り合いの末に鳴る、試合終了のホイッスル。

ここでノーサイド

試合終了と共に湧き上がる感動や歓喜。
選手や監督の喜びに満ちた表情や、悔しそうな表情には、見ている私たちも感情を揺さぶられます。

そのような場面で登場する「ノーサイド」という言葉。

この記事では、これらについてお伝えします。

・ノーサイドの意味
・ノーサイド精神とは
・ノーサイドを使うのは日本だけ?
・ノーサイドといえば松任谷由美の名曲

どうぞ最後までゆっくりお読みくださいね。

【ラグビー】ノーサイドとは?その意味は?

ラグビーを代表する言葉として「ノーサイド」というのがあります。

ラグビーという競技を見たことがない人でも、「ノーサイド」という言葉は知っているのではないでしょうか。

そもそもどのような意味なのでしょうか?

ノーサイドとは、試合が終わったときにレフリーが使った表現で、試合が終われば、敵陣も自陣もサイド(側)がなくなる、勝った側も負けた側(サイド)もない、ということを意味しています。

英語で書くと「NO SIDE」。
側(SIDE)がない(NO)。
ということです。
わかりやすいですね。

【ラグビー】ノーサイドの精神とは?

ノーサイドという言葉は、「ノーサイド精神」と、使われることがあります。
アフターマッチファンクションがその由来であるといわれていますね。
(※アフターマッチファンクションについては、次章で説明していますので、読み進んでみてくださいね。)

「試合が終われば、敵も味方もない。」というノーサイドに、「試合後には敵も味方もみんな一緒に健闘を讃え合う」という文化が相まったものが、「ノーサイド精神」です。

具体的にはどういうことなのでしょうか?

ラグビー発祥の頃まで遡ってみましょう。

【ラグビー】ノーサイド精神の由来

ラグビー発祥の地は、イングランド
1863年ごろ、ラグビーフットボールという競技が確立しました。

イングランドでは、中流階級から上流階級の子息が入る名門校で、ラグビーが盛んに行われていたのです。
ラグビーは紳士(ジェントルマン)のスポーツ」と言われる所以ですね。

ラグビーには、試合が終わると、敵も味方も関係なく、お互いを讃えあう、という精神があります。

これを体現したものが、「アフターマッチファンクション」というものです。

直訳すると、「試合後の式典」といったところでしょうか。

アフターマッチファンクションとは具体的にはどのようなものなのでしょうか?

試合が終わると、選手やスタッフ、審判団、協会関係者たちがひとつところに集い、飲食を共にします。
そこでは、「あのキックはすごかった」「あのトライは素晴らしかった」など、試合について感想を述べあったり、健闘を讃え合ったりして、交流を深めるのです。

主催者側が対戦相手を歓迎する意味で、イングランドで始まったラグビーならではの習慣です。

勝ったからと百獣の王のように振舞うのではなく、負けたからと、反省点だけを探したり、ミスをした選手を責めたりするのではなく、お互いの健闘を讃え合うという、まさに紳士的な振舞ですね。

紳士的な振舞いもそうですが、お互いの良い所を話す中で、自分でも気づいていない点に気づかされることもありそうです。
そうする中で、ラグビーというスポーツが発展してきたのだと私は思いました。

タックルなどコンタクトプレイの多いラグビーでは、試合中は一触即発のような場面もありそうですが、試合前も試合中も、常に紳士的であるように、私には見えます。
それが、見ている私にもどこか清々しさを感じさせてくれているのですね。

ラグビーワールドカップはスケジュールがタイトなので、残念ながら、アフターマッチファンクションは行われていませんが、大学ラグビーでは伝統が受け継がれています

【ラグビー】ノーサイド精神の由来~日本独自の仕組みが関係してる?

海外では、ラグビー観戦をする時、観客席は、チーム別の席はなく、それぞれのチームが入り混じって座ります。
ですので、両隣が敵チームを応援しているファン、ということもあり得るのです。
応援しているチームは違うけれど、一緒にラグビーを応援しよう!といっているような仕組みですね。

それに対して、日本では、リーグワンや高校、大学ラグビーの試合で、応援するチームごとに分かれるというのが一般的なんです。

つまり、世界では、試合前も、試合中も、試合後も、ずっとサイドを作らない、いわば、ずっとノーサイド
日本では、試合中は、敵同士、でも、試合が終われば、敵でも味方でもない、ここからがノーサイドですよ、というような線引きがあるのかもしれません。

オンとオフがはっきりしているような状況、はっきりとけじめがあるような状況が、日本の中で「ノーサイド」が注目されている理由かもしれませんね。

敵対していたものが和解をする」というところに、日本人は美意識をもっているのかもしれまん。

【ラグビー】ノーサイドは日本だけってホント?

さて、ノーサイドという言葉は、ラグビーとは切ってもきれない言葉となっていますが、実は、海外ではノーサイドという言葉は使われていません

一説では、1970年代ごろまでは、ラグビー発祥の地、イングランドでも「ノーサイド」を使っていたらしいのですが、現在では全く使われておらず、「ノーサイド」という言葉を知らない、ラガーマンもいるらしいのです。

現在では試合終了時は「フルタイム(FULL TIME)」が一般的となっていますね。

実は、日本でも現在は、試合終了については「フルタイム」という言葉が使われていて、「ノーサイド」という言葉は使われなくなっています。

実況アナウンサーが「ここでノーサイド」と言うことはあってもレフリーは使っていないのが現状です。

ラグビーの試合をテレビで観戦している時など、試合が終わると「ノーサイドかぁ」などと私は言ってしまうのですが、海外の人が聞いたら「は?」という感じなのでしょうね。

そして、「ノーサイド」という言葉が日本で広く認知されている理由のひとつは、松任谷由実の名曲「ノーサイド」に理由があるかもしれません。

それについては、次の章で詳しくご説明しますね。

【ラグビー】ノーサイドといえば、松任谷由実のあの名曲!

松任谷由実の「ノーサイド」1984年12月1日発売の「NO SIDE」というアルバムに収録されました。

この曲は、あるラグビーの試合終了直後の情景を歌ったものだと言われていますね。

松任谷さんが歌にしたい!と思えるような場面とは、どのようなものだったのでしょうか?

それは、1984年1月7日に行われた第63回大会の決勝でした。
伝説の一戦と言われている試合です。

天理高校 対 大分舞鶴高校

後半ロスタイムに、大分舞鶴がトライを決めて18-16に迫ります。
コンバージョンキックが決まれば、18点の同点となり、両校優勝となる場面
主将でフルバック(FB)福浦孝二選手のボールはゴールを外し、その直後にノーサイドの笛が鳴りました。

この場面を松任谷さんがテレビで見ていて、

どんなに悔やんでも、高校生が部活をやめたら、次のシーズンは、自分と同じゼッケンをつけて、駆けてゆく誰かを見ていることになる。その情景が浮かんでグッときてしまいました。

(引用:Wikipedia)

と語っています。

松任谷由実さんの、あの静かなメロディーが頭の中をめぐります。
私はその試合は観ていませんでしたが、それでも、その情景を想像できてしまいます。
せつないですね。

【ラグビー】「ノーサイド」松任谷由実の名曲誕生秘話!

この情景の主人公、大分舞鶴の福浦孝二選手にはもうひとつのストーリーがあるのですが、ご存じですか?

決勝の二日前の1月5日に行われた準決勝に勝った大分舞鶴の福浦選手は、鹿屋体育大学(かのやたいいくだいがく)の推薦入試のため、5日鹿児島県へ移動、7日の決勝には出ない、と報じられました。
すると、「決勝に出させてあげてほしい!」という声が大学に多数とどきます。
その声を受けて、大学側は特別措置を取ることに。
決勝戦の7日午前6時から特別に入試を開始し、試験が終了すると、大学関係者が運転する車で鹿児島空港へ。
決勝戦の1時間半まえに花園ラグビー場に到着、決勝戦に出場することができたのです。

(西スポwebより抜粋)

その後、鹿屋体大に進学した福浦さん。
現在は、大分 中津南高校で保健体育の教師をしながら、子どもたちにラグビーを教えているそう。

もし、あの時、福浦選手が鹿屋体大を選んでいなかったら?
もし、あの時、福浦選手が決勝に出場していなかったら?

ノーサイドという松任谷由実の名曲は生まれなかったかもしれません。

ノーサイドという言葉がこれほど日本人に浸透することもなかったかもしれません。

【ラグビー】ノーサイドの意味、ノーサイド精神、ノーサイドは日本だけ?松任谷由実の名曲「ノーサイド」のまとめ

まとめです。

・【ラグビー】ノーサイドとは、試合終了時にレフリーが使った表現。
・【ラグビー】ノーサイドとは、試合が終われば、敵も味方もない、ということ。
・【ラグビー】ノーサイド精神とは、試合が終われば、敵も味方もなく、お互いに健闘を讃え合う精神。
・【ラグビー】ノーサイドを意識するのは日本だけだが、試合では日本でも「フルタイム」を使用
・【ラグビー】「ノーサイド」松任谷由実の名曲の裏に、1984年1月の天理高対大分舞鶴高の決勝戦
・【ラグビー】「ノーサイド」松任谷由美の名曲が生まれたのは、人々の思いが大学と選手を動かしたから

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

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